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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻5号

2007年04月発行

特集 消化管の拡大内視鏡観察2007

総論 3. 拡大観察と組織構築の関連

3) 十二指腸・小腸

著者: 田中三千雄1 藤本誠2 小尾龍右2 藤浪斗3

所属機関: 1富山大学附属病院光学医療診療部 2富山大学和漢診療学 3富山大学第3内科

ページ範囲:P.557 - P.562

文献概要

要旨 粘膜表面の微細構造に関して小腸が他の消化管(食道・胃・大腸)と決定的に違うのは,小腸には“絨毛”と呼ばれる高さが0.5mm前後の突起が密に存在していることである.そのために腸腺の開口部(腺窩)は隠されてしまい,それを拡大内視鏡で観察することができない.したがって腺開口の形・配列を基にして作り出される“pit pattern”を,小腸の拡大内視鏡で観察することはできない.それが観察できるとすれば,絨毛が極めて高度に萎縮した場合か絨毛構造を形成しない病変が出現した場合に限られる.小腸の拡大内視鏡においては,個々の“絨毛の外形”のバリエーションを正確に把握することが最も重要である.

参考文献

1) 稲土修嗣,田中三千雄,佐々木博.ヒト十二指腸の絨毛形態に関する研究―正常例における実体顕微鏡的観察.日消誌 83:1444-1454,1986
2) 田中三千雄,薄田勝男,大倉康男,他.十二指腸における隆起性病変の拡大観察とその診断学的意義.胃と腸 38:1709-1720,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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