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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻5号

2007年04月発行

文献概要

特集 消化管の拡大内視鏡観察2007 総論 3. 拡大観察と組織構築の関連

4) 大腸 (1)病理組織像との対比―ピオクタニン染色による拡大内視鏡像と病理組織像との対比― "VI高度不整" を正しく診断するために

著者: 林俊壱1 味岡洋一2 太田宏信3 渡辺孝治3 関慶一3 石川達3 吉田俊明3 武者信行4 坪野俊広4 酒井靖夫4 石原法子5 馬場靖幸6 上村朝輝3

所属機関: 1林俊壱クリニック 2新潟大学大学院病態病理学分野 3済生会新潟第二病院消化器科 4済生会新潟第二病院外科 5済生会新潟第二病院病理部 6馬場医院

ページ範囲:P.563 - P.571

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要旨 ピオクタニン染色による拡大内視鏡所見には“pitの所見”と“pit以外の所見”の2つがあり,それぞれが組織所見を反映し,癌の診断に大きな役割を果たしている.すなわち,前者は腺管の異型度を反映し,後者は腺管周囲の間質の状況を反映している.“pitの所見”としてはpit形態の複雑さが対応腺管の異型度の指標となり,複雑な形態のpitほど対応腺管の異型度は高くなる.しかし,pit形態だけではSM massive癌の十分な診断指標にはなりえない.工藤班におけるVI高度不整の定義の中には“pitの所見”とともに,“pit以外の所見”として“pitの輪郭不明瞭”,“stromal areaの染色性低下・消失”の2つの所見があり,これらの所見は癌浸潤に連動する組織浅層の間質変化を反映することで,SM浸潤度を反映し,SM massive癌の総合的な診断に寄与すると考えられた.

参考文献

1) 林俊壱,味岡洋一,馬場靖幸,他. Ip・Isp 型大腸癌の深達度診断―ピオクタニン染色による拡大内視鏡所見の解析を中心に.胃と腸 37:1583-1600,2002
2) 唐原健,鶴田修,河野弘志,他. VI型 pit pattern における不整の程度と浸潤度― (2)病理診断に迫る立場から.早期大腸癌 10:207-214,2006
3) 林俊壱,味岡洋一,太田宏信,他.病変表層の組織構築からみた sm massive 癌の診断.胃と腸 39:753-767,2004
4) 工藤進英,笹島圭太,小林泰俊,他.V型 pit pattern は箱根合意後に何が変わったか― VI 高度不整の定義について. 早期大腸癌 10:185-193,2006
5) 大日向信幸,山野泰穂,松下弘雄,他.早期大腸癌 10:215-221,2006
6) 松田尚久,斉藤豊,浦岡俊夫,他.VI pit pattern における不整の程度と浸潤度―(1)内視鏡治療の立場から.早期大腸癌 10:195-200,2006
7) 田中信治,永田信二,茶山一彰,他.pit pattern 診断の新たな展開―(2)VN 型 pit pattern の面積計測による大腸 sm 癌の浸潤度診断の試み.早期大腸癌 6:578-582,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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