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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻5号

2007年04月発行

文献概要

特集 消化管の拡大内視鏡観察2007 各論 2. 胃

4) 平坦・陥凹型早期胃癌の拡大内視鏡所見と鑑別診断

著者: 光永篤1 白戸美穂2 白戸泉2 西野隆義2 岸野真衣子3 小西洋之3 中村真一3 白鳥敬子3

所属機関: 1東京女子医科大学附属八千代医療センター内視鏡科 2東京女子医科大学附属八千代医療センター消化器内視鏡科 3東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.721 - P.729

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要旨 拡大内視鏡で観察される平坦・陥凹型早期胃癌の胃粘膜微細模様(fine gastric mucosal pattern;FGMP)は緻密化や大型化を呈する不規則なD patternが主体を成し,これに模様がほとんど観察されないN patternを伴うこともある.N patternは癌のみに観察され,腺腫との鑑別に有用である.また,拡大観察で初めて観察される病変部の微細不規則血管も癌で高頻度(97.5%)に観察される所見であり,出現頻度は低い(14.8%)が癌に特異的に観察される通常観察でも観察可能な悪性新生血管とともに良・悪性鑑別診断に有用な拡大内視鏡所見である.

参考文献

1) 榊信廣,竹内憲,飯田洋三,他.胃粘膜微細模様の分類とその応用.井田和徳,岡崎幸紀(編).内視鏡による消化管の拡大観察.医学図書出版,pp79-87,1986
2) 光永篤,中村真一,大井至.微小胃癌.長廻絋,大井至,坂本長逸,他(編).腫瘍内視鏡学.医学書院,pp48-56,2004
3) 光永篤,今井隆二郎,石川一郎,他.胃癌にみる微小増生血管の拡大観察.消化器内視鏡 17:2109-2114,2005
4) 光永篤,潮靖子,桂英之,他.隆起型胃癌と鑑別を要する炎症性疾患.胃と腸 37:1649-1658,2002
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6) 光永篤.EMR と拡大内視鏡観察―早期胃癌 EMR の術前診断ならびに遺残再発診断における拡大観察の意義.田尻久雄,田中信治(編).消化管拡大内視鏡診断の実際.金原出版,pp110-115,2004
7) 大井田正人,長場静香,谷川一志,他.胃粘膜の拡大観察―胃潰瘍の再生粘膜診断.胃と腸 38:1674-1678,2003
8) 高橋宏行,渋谷正史.腫瘍血管新生の分子標的治療.実験医学 22(14) :82-88,2004
9) 田中三千雄,薄田勝男,伊藤博行,他.観察法でこんなに違う拡大内視鏡像とその読み方.消化器内視鏡 16:1651-1657,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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