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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻5号

2007年04月発行

文献概要

特集 消化管の拡大内視鏡観察2007 各論 4. 大腸

6) 表面型早期大腸癌の深達度診断

著者: 浦岡俊夫12 斎藤豊1 松田尚久1 池原久朝1 真下由美1 菊地剛1 斉藤大三1 藤井隆広3

所属機関: 1国立がんセンター中央病院内視鏡部 2岡山大学大学院消化器・肝臓・感染症内科学 3藤井隆広クリニック

ページ範囲:P.817 - P.822

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要旨 表面型早期大腸癌における拡大内視鏡診断の意義を明らかにするために,①拡大内視鏡診断能の隆起型病変との比較検討,②SM深部浸潤を反映する通常内視鏡所見(8因子)との比較検討を行った.早期大腸癌における拡大内視鏡を用いた深達度診断は,隆起型よりも表面型において優れた正診が得られた.また,多変量解析にて,拡大内視鏡診断VI(invasive pattern):Odds比209.79)と通常内視鏡所見の緊満感(Odds比8.61)がSM深部浸潤と相関する独立因子として抽出された.以上から,表面型早期大腸癌に対する拡大内視鏡による深達度診断は有用であり,これを普及することが,適格な治療に結びつくものと考える.

参考文献

1) 藤井隆広,加藤茂治,斎藤豊,他.早期大腸癌の深達度診断における EUS と拡大内視鏡の位置づけ―拡大内視鏡を重視する立場から.胃と腸 36:817-827,2001
2) Matsuda T, Fujii T, Ono A, et al. Effectiveness of magnifying colonoscopy in diagnosing the depth of invasion of colorectal neoplastic lesions : invasive pattern is an indication for surgical treatment. Gastrointest Endosc 57: AB176,2003
3) Saito Y, Emura F, Matsuda T, et al. Invasive pattern is an indication for surgical treatment. Gut2004; http://gut. bmjjournals. com/cgi/eletters/53/2/284
4) 松田尚久,斎藤豊,浦岡俊夫,他.VI型 pit pattern における不整の程度と浸潤度 内視鏡治療の立場から.早期大腸癌 10:195-200,2006
5) 立石陽子,谷口浩和,中西幸浩,他.大腸 sm 癌のリンパ節転移危険因子の検討.胃と腸 41:1233-1240,2006
6) 松田尚久,斎藤豊,浦岡俊夫,他.1,000μm を読む―拡大内視鏡による早期大腸癌の深達度診断.消化器内視鏡 18:303-309,2006
7) 大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン.医師用,2005年版.金原出版,2005
8) Uraoka T, Saito Y, Matsuda T, et al. Endoscopic indications for endoscopic mucosal resection of laterally spreading tumours in the colorectum. Gut 55:1592-1597,2006
9) 横田敏弘,松井孝志,福田治彦,他.早期大腸癌の深達度診断―内視鏡診断の立場から.胃と腸 29;1261-1269,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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