icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻5号

2007年04月発行

文献概要

特集 消化管の拡大内視鏡観察2007 各論 4. 大腸

9) dysplasiaおよびcolitic cancerの診断 (2)

著者: 小林清典1 佐田美和1 山縣仁1 春木聡美1 小川大志1 横山薫1 勝又伴栄1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科

ページ範囲:P.849 - P.854

文献購入ページに移動
要旨 潰瘍性大腸炎(UC)の長期経過例では,dysplasiaやcolitic cancerが発生する危険性が高まることから,大腸内視鏡による定期的なサーベイランスが必要である.通常内視鏡観察では,限局した隆起や領域のある発赤,粘膜の凹凸不整などに着目することが早期発見に有効である.色素内視鏡観察により異常所見を認めた場合は,拡大内視鏡によるpit patternの評価を行う.当院では13例のdysplasiaと5例のcolitic cancerに拡大内視鏡診断を行ったが,IIIL型やIV型の腫瘍性pit patternを認める場合が多かった.UCに伴う炎症性変化やsporadic adenomaとの鑑別診断についてはさらなる検討が必要であるが,拡大内視鏡観察はdysplasiaやcolitic cancerの質的診断に有力な情報をもたらし,効率的なtarget biopsyを可能にする検査法として活用されている.

参考文献

1) Sada M, Igarashi M, Yoshizawa S, et al. Dye spraying and magnifying endoscopy for dysplasia and cancer surveillance in ulcerative colitis. Dis Colon Rectum 47:1816-1823,2004
2) Kiesslich R, Fritsch J, Holtmann M, et al. Methylene blue-aided chromoendoscopy for the detection of intraepithelial neoplasia and colon cancer in ulcerative colitis. Gastroenterology 124:880-888,2003
3) Kudo S, Tamura S, Nakajima T, et al. Diagnosis of colorectal tumorous lesions by magnifying endoscopy. Gastrointest Endosc 44:8-14,1996
4) 五十嵐正広,佐田美和,小林清典,他.潰瘍性大腸炎と大腸癌.VI 治療法と問題点(1)Sporadic adenoma と dysplasia の治療と問題点.早期大腸癌 19:89-96,2005
5) 岩男泰,松岡克善,緒方晴彦,他.サーベイランス法(3)Colitic cancer の内視鏡診断とターゲットバイオプシーの意義.早期大腸癌 9:49-55,2005
6) 味岡洋一,渡辺英伸,小林正明,他.潰瘍性大腸炎に合併する大腸癌・dysplasia の肉眼・実体顕微鏡像と生検組織診断.胃と腸 30:629-642,1995
Hata K, Watanabe T, Motoi T, et al. Pitfalls of pit pattern diagnosis in ulcerative colitis ― associated dysplasia. Gastroenterology 126:374-376,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら