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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻5号

2007年04月発行

特集 消化管の拡大内視鏡観察2007

コラム

aberrant crypt foci

著者: 高山哲治1 永島裕之1 新津洋司郎1

所属機関: 1札幌医科大学医学部内科学第4講座

ページ範囲:P.855 - P.856

文献概要

 1987年Bird1)は大腸発癌剤(アゾキシメタン)処理したマウス大腸に,メチレンブルーに濃染する微小病変を実体顕微鏡下に観察し,aberrant crypt foci(以下 ACF)と命名した.この論文の中で,ACFは①肉眼的には正常に見える,②実体顕微鏡下に観察しうるメチレンブルーに濃染する腺管の集まり,③正常腺管より大きい腺管から成る,と定義されている.④として,各腺管のpericryptal spaceが広いこと,が定義の1つに含まれることがある.ACFは,細胞増殖活性の亢進やK-ras遺伝子変異が高率に認められることから,動物における大腸腺腫,さらには癌の前病変と考えられている.実際に,イヌのACFを経時的に観察すると,やがてdysplasiaが出現し,癌になることが立証されている.

参考文献

1) Bird RP. Observation and qualification of aberrant crypts in the murine colon treated with a colon carcinogen : preliminary findings. Cancer Lett 37: 147-151,1987
2) Pretlow TP, Barrow BJ, Ashton WS, et al. Aberrant crypts : Putative preneoplastic foci in human colonic mucosa. Cancer Res 51:1564-1567,1991
3) Takayama T, Katsuki S, Takahashi Y, et al. Aberrant crypt foci of the colon as precursors of adenoma and cancer. N Engl J Med 339:1277-1284,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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