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文献詳細

雑誌文献

胃と腸42巻9号

2007年08月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌内視鏡切除後の長期成績 主題症例

補助療法としての化学放射線療法後に発生した異時性食道癌の2例

著者: 藤原純子1 門馬久美子1 吉田操2 江頭秀人3 藤原崇3 江川直人3 三浦昭順4 加藤剛4 出江洋介4 根本哲生5 船田信顕5

所属機関: 1東京都立駒込病院内視鏡科 2東京都保健医療公社荏原病院 3東京都立駒込病院内科 4東京都立駒込病院外科 5東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1389 - P.1394

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要旨 〔症例1〕53歳,男性.2000年6月,食道扁平上皮癌に対し,EMR施行〔SM1,ly(+),v(+)〕.追加治療として化学放射線療法を施行.6年後に異時性食道癌を発見し,EMRを施行.病理学的には,扁平上皮癌T1a-MM,ly0,v0と診断された.〔症例2〕61歳,男性.2000年11月,食道扁平上皮癌に対し,EMR施行〔SM1,ly(-),v(+)〕.追加治療として化学放射線療法を施行.5年後に異時性食道癌を発見し,EMR施行.病理学的には,扁平上皮癌T1a-MM,ly1,v0と診断された.2例とも,6か月ごとの内視鏡検査にて発見された.いずれも,10mm以下の小癌であったが,周囲に盛り上がりを伴う陥凹性病変であり,深達度T1a-MMの浸潤を示す,発育の早い病変と考えられた.

参考文献

1)山川道隆,大野達也,塩島和美.食道癌放射線治療後2年生存例の再発形式に関する検討―異時性重複食道癌について.癌の臨床 42:617-622, 1996
2)浅川洋,森田浩三.放射線治療による食道癌5年生存例の全国集計.日癌治療会誌 27:925-932, 1992
3)幕内博康,島田英雄,水谷郷一.内視鏡的食道粘膜切除術後長期経過例の検討―異時性多発癌を中心に.胃と腸 31:1223-1233, 1996
4)門馬久美子,吉田操,山田義也.多発食道癌と粘膜切除.胃と腸 36:1039-1047, 2001
5)室 圭,新井達広,濱中久尚.食道sm2/sm3癌に対する放射線・化学療法の治療成績―clinical stage I食道癌に対する放射線・化学療法について.胃と腸 37:1305-1314, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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