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今月の主題 早期食道癌の診断─最近の進歩 序説
早期食道癌の診断―最近の進歩
著者: 幕内博康1
所属機関: 1東海大学医学部外科
ページ範囲:P.1419 - P.1421
文献購入ページに移動 最近,食道領域での早期癌の診断能の向上には目を見張るものがあり,既に,胃癌のそれを上回っていると言っても過言ではない.内視鏡検査を行うことにより,多数の早期食道癌が発見されてEMR(endoscopic mucosal resection)やESD(endoscopic submucosal dissection)で治療されている.
早期食道癌の発見は1966年に山形ら1),中山ら2)によってなされているが,これらはいわゆる早期癌,すなわち,リンパ節転移を伴わない粘膜下層癌であった.1966年に木暮ら3),1967年,大原,遠藤,熊谷らにより,国産の食道ファイバースコープが開発され3),1976年多賀須ら4)により細径パンエンドスコープが開発された.ヨード染色は1973年に佐野5)が食道癌の診断に応用し,赤坂ら6)が詳細な基礎研究を行った.
早期食道癌の発見は1966年に山形ら1),中山ら2)によってなされているが,これらはいわゆる早期癌,すなわち,リンパ節転移を伴わない粘膜下層癌であった.1966年に木暮ら3),1967年,大原,遠藤,熊谷らにより,国産の食道ファイバースコープが開発され3),1976年多賀須ら4)により細径パンエンドスコープが開発された.ヨード染色は1973年に佐野5)が食道癌の診断に応用し,赤坂ら6)が詳細な基礎研究を行った.
参考文献
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