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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻10号

2008年09月発行

文献概要

今月の主題 早期食道癌の診断─最近の進歩 主題

食道表在癌のX線診断における最近の進歩と問題点

著者: 高木靖寛1 宮岡正喜1 平井郁仁1 長浜孝1 松井敏幸1 岩下明徳2 原岡誠司2 池田圭祐2 田邉寛2 冨安孝成3 二見喜太郎3 前川隆文3

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理部 3福岡大学筑紫病院外科

ページ範囲:P.1499 - P.1509

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要旨 新しく開発されたデジタルX線装置である平面検出器(FPD)は通常のフィルム-増感紙による撮影系(CSFF)に匹敵する良好な画像が得られ,従来のDRの欠点であったノイズの目立つ画質が改善した.また,FPDはDRと同様に連続撮影の利点を有しタイミングよく撮影ができ,様々な伸展性や造影剤の付着による写真が得られ,より容易に微細病変の診断が可能となった.粘膜癌の拾い上げや微小浸潤sm癌の診断にはまだ課題が残るが,FPDで得られる良好で繊細な画像は食道表在癌の深達度を含めた性状診断に極めて有用と考えられた.

参考文献

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14)鈴木雅雄,土井偉誉.食道未分化癌のX線像─粘膜下層癌の2例.臨床消化器内科 8 : 2021-2026, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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