文献詳細
今月の主題 感染性腸炎─最近の動向と知見
序説
文献概要
感染性腸炎とは,各種微生物によって腸管の炎症性変化が惹起される場合を指し,腸管感染症とほぼ同義に用いられる.ただし,発症機序の異なるチフス性疾患は,本来感染性腸炎から除外されるべきとも考えられるが,細網内皮系での増殖に伴う菌血症とともに,腸管に潰瘍性病変を形成する腸チフス・パラチフスについては便宜上感染性腸炎に含めて取り扱われることが多い.感染性腸炎は,原因別に細菌性,真菌性,ウイルス性,寄生虫・原虫性に大別されるが,日常臨床では細菌性腸炎の頻度が最も高い.
一方,食中毒は食品などに含まれた微生物,化学物質,自然毒などを摂取することによって発症するが,その70%以上は細菌に起因するとされている.細菌性食中毒は発症形成から感染型と毒素型に分けられるが,感染型は感染性腸炎と同一の病態を示すのに対し,毒素型は産生された毒素による中毒であり,感染性腸炎の病態とは異なる.
一方,食中毒は食品などに含まれた微生物,化学物質,自然毒などを摂取することによって発症するが,その70%以上は細菌に起因するとされている.細菌性食中毒は発症形成から感染型と毒素型に分けられるが,感染型は感染性腸炎と同一の病態を示すのに対し,毒素型は産生された毒素による中毒であり,感染性腸炎の病態とは異なる.
参考文献
1)Wada Y, Matsui T, Matake H, et al. Intractable ulcerative colitis caused by cytomegalovirus infection : a prospective study on prevalence, diagnosis, and treatment. Dis Colon Rectum 46 : S59-S65, 2003
2)Sato S, Yao K, Yao T, et al. Colonoscopy in the diagnosis of intestinal tuberculosis in asymptomatic patients. Gastrointest Endosc 59 : 362-368, 2004
3)Umeno J, Matsumoto T, Nakamura S, et al. Intestinal spirochetosis due to Brachyspira pilosicoli : endoscopic and radiographic features. J Gastroenterol 42 : 253-256, 2007
掲載誌情報