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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻11号

2008年10月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎─最近の動向と知見 主題

感染性腸炎の診断・治療手順

著者: 斉藤裕輔1 垂石正樹1 鈴木聡1 助川龍士1 富永素矢1 小泉一也1 菊地陽子1 小澤賢一郎1 千葉篤1 渡二郎2 藤谷幹浩3

所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター 2釧路市医師会病院消化器内科 3旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科分野

ページ範囲:P.1573 - P.1580

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要旨 感染性腸炎の診断を進める場合,最も重要なのは臨床所見である.詳細な病歴から感染性腸炎との診断のみならず,疾患の絞り込みも可能である.これに糞便や血液を用いた細菌学・生化学的検査所見を加えることで,ほとんど感染性腸炎の確定診断が可能となる.USやCT,X線・内視鏡などの画像所見は,病変の部位,形状,配列などを分析することで潰瘍性大腸炎やCrohn病などの狭義のIBDとの鑑別に有用である.治療としては補液による脱水の補正と適切な抗菌薬の使用が重要であり,起因菌が不明の場合はニューキノロン系薬,またはfosfomycinの投与が推奨される.

参考文献

1)渡辺英伸,味岡洋一,太田玉紀,他.炎症性腸疾患の病理学的鑑別診断─大腸病変を中心に.胃と腸 25 : 659-682, 1990
2)Boccus HL. Gastroenterology, 5th ed. Vol.2.W.B Saunders, pp1115-1144, 1995
3)橋立英樹,渡辺英伸,味岡洋一,他.感染性腸炎の病理.胃と腸 32 : 949-962, 1997
4)大川清孝,丸岡正典,池田昌弘,他.STDによる腸炎の画像診断.胃と腸 32 : 941-948, 1997
5)Umeno J, Matsumoto T, Nakamura S, et al. Intestinal spirochetosis due to Brachyspira pilosicoli : endoscopic and radiographic features. J Gastroenterol 42 : 253-256, 2007
6)相楽裕子.感染性腸炎.日本医師会雑誌 110 : 119- 122, 1993
7)Zimmerhackl LB. E.coli, antibiotics, and the hemolytic-uremic syndrome. N Engl J Med 342 : 1990-1991, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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