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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻11号

2008年10月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎─最近の動向と知見 主題 感染性腸炎の最近の知見

クラミジア直腸炎

著者: 池谷賢太郎1 丸山保彦1 景岡正信1 永田健1 大畠昭彦1 野田裕児1 三輪一太1 渡悉文利2 白川京佐3

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器科 2浜松南病院消化器科 3東静岡クリニック

ページ範囲:P.1663 - P.1669

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要旨 クラミジア直腸炎は,最も頻度の高い性行為感染症の病原体であるChlamydia trachomatisの直腸感染により形成される感染性腸炎である.その内視鏡像はいわゆる“イクラ状粘膜"と称される,下部直腸優位の半球状小隆起性病変の集簇を特徴とする.診断には病変部擦過検体を用いた酵素免疫法(EIA法)や遺伝子検査法(PCR法)などが有効である.本疾患におけるクラミジア抗体検査は感度や特異度が低く,補助的診断として位置づけられる.抗菌薬の選択や投与期間については,症例ごと治療反応性を評価し検討する必要がある.性感染症という側面を考慮し,パートナーの診断,治療も同時に行うことが望ましい.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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