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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻11号

2008年10月発行

文献概要

今月の主題 感染性腸炎─最近の動向と知見 主題症例

縦走潰瘍を示しCrohn病と鑑別を要したカンピロバクター腸炎の1例

著者: 佐野弘治1 大川清孝1 上田渉1 小谷晃平1 池田宜史1 池田雄一郎1 久保勇記2 井上健2 青木哲哉3

所属機関: 1大阪市立総合医療センター消化器内科 2大阪市立総合医療センター病理部 3大阪市立住吉市民病院内科

ページ範囲:P.1689 - P.1693

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要旨 症例は25歳,女性.習慣性扁桃炎にて入院し,両側口蓋扁桃摘出術を受けた.術後4日目から発熱,腹痛,頻回の下痢が出現したため当科を受診した.血液検査で炎症反応の上昇,内視鏡検査で回盲弁に不整形の潰瘍,上行結腸からS状結腸に縦走配列する不整形小潰瘍と縦走潰瘍を認めた.Crohn病を疑ったが,便培養でCampylobacter jejuniが検出されたため,カンピロバクター腸炎と診断し,マクロライド系抗生剤の投与にて軽快した.縦走潰瘍を伴ったカンピロバクター腸炎は,文献的には報告がなく非常にまれであるため報告した.

参考文献

1)Skirrow MB. Campylobacter enteritis : a“new"disease. Br Med J 2 : 9-11, 1977
2)藤沼澄夫,酒井義浩.細菌による感染性大腸炎.日本大腸肛門病会誌 54 : 939-944, 2001
3)相楽祐子.カンピロバクター腸炎.日本臨床別冊感染症症候群I : 7-10, 1999
4)林繁和,江崎正則,山田昌弘,他 : Campylobacter腸炎の大腸内視鏡像の検討.Gastrotenterol Endosc 29 : 912-919, 1987
5)大川清孝,青木哲哉,上田渉,他.炎症性腸疾患と鑑別困難な感染性腸炎の診断と経過.胃と腸 41 : 959-970, 2006
6)林繁和,神部隆吉,西尾浩志,他.感染性腸炎.胃と腸 40 : 631-637, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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