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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻11号

2008年10月発行

文献概要

消化管造影・内視鏡観察のコツ

〔内視鏡観察のコツ〕下部消化管―大腸色素法(コントラスト法・染色法)

著者: 前田聡1 今村哲理1

所属機関: 1札幌厚生病院胃腸科

ページ範囲:P.1695 - P.1698

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はじめに

 近年,大腸内視鏡検査の軸保持短縮法による挿入技術向上に伴う普及1)と,色素法の一般化,電子内視鏡の高画質化,拡大機能搭載機種の充実により,通常観察にて発見が容易な隆起型腫瘍以外に,発見困難な表面型腫瘍の発見率も高くなり,より精密な内視鏡診断が求められている.特に色素法は,大腸粘膜は消化性変化による修復を受けないことと,無名溝と呼ばれる規則性のある微細模様があるため,上皮性腫瘍は無名溝とは違う模様を呈するため有用である.

 色素法ならびに拡大観察を併用することで,瞬時に上皮性・非上皮性の鑑別,腫瘍・非腫瘍の鑑別,腫瘍の深達度診断,内視鏡治療後の遺残・再発の有無など質的・量的診断が簡易・簡便かつ正確に行うことが可能となった2)3).色素法は大腸内視鏡診断ならびに治療には不可欠なものと考えられる.

参考文献

1)工藤進英.大腸内視鏡挿入法─ビギナーからベテランまで.医学書院,1997
2)工藤進英.早期大腸癌─平坦・陥凹型へのアプローチ.医学書院,1993
3)Kudo S, Tamura S, Nakajima T, et al. Diagnosis of colorectal tumorous lesions by magnifying endoscopy. Gastorointest Endosc 44 : 8-14, 1996
4)上堂文也,清水勇一,藤井隆広.色素内視鏡ガイドライン.日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会(編) : 消化器内視鏡ガイドライン, 3版.医学書院, pp142- 156, 2006
5)Mitooka H, Fujimori T, Ohno S, et al. Chromoscopy of the colon using indigo carmine dye with electrolyte lavage solution. Gastrointest Endosc 38 : 373-374, 1992
6)今村哲理,安保智典,栃原正博,他.表面型腫瘍─色素法による診断.丹羽寛文,井田和徳(編).色素拡大内視鏡の最前線.日本メディカルセンター, pp62- 68, 1998
7)工藤進英.大腸pit pattern診断.医学書院, 2006
8)Fujii T, Ishii H, Tatsuta M. Effectiveness of premedication with pronase for improving visibility during gastroendoscopy : a radomized controlled trial. Gastrointest Endosc 47 : 382-387, 1998
9)三戸岡英樹.大腸の色素法・拡大内視鏡検査.消化器内視鏡 16 : 479-481, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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