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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻11号

2008年10月発行

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編集後記 フリーアクセス

著者: 赤松泰次

ページ範囲:P.1712 - P.1712

文献概要

 感染性腸炎は古くから取り上げられてきたテーマであるが,今回の特集の内容を拝見すると最近の動向や新しい知見が詳細に記載されており,読者にとっては大いに参考になると思われる.感染性腸炎は臨床症状や病歴を詳細に聴取すれば,比較的容易に感染性腸炎であることを疑うことが可能で,さらに臨床検査(培養検査,血清診断など)やX線および内視鏡所見を加味すれば,通常診断に迷うことは少ない.しかし,本号の中に示されているように,Crohn病,潰瘍性大腸炎,虚血性大腸炎などと臨床像が一見類似した感染性腸炎が存在することをよく認識しておかなければならない.特に感染性腸炎がCrohn病や潰瘍性大腸炎と誤診した場合,steroid,免疫調整剤,infliximabなどを投与して病状を悪化させるおそれがある.したがって日常臨床で炎症性腸疾患と考えられる患者に遭遇した場合は,常に感染性腸炎を念頭に置きながら鑑別診断を行う必要がある.

 蛇足ではあるが,本文中に明らかに血便と表現すべきところを下血と記載した論文が散見された.血便(hematochezia)と下血(melena)という用語は正確に使い分ける必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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