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追悼
長與健夫先生を偲ぶ
著者: 中村恭一12
所属機関: 1東京医科歯科大学 2筑波大学
ページ範囲:P.1708 - P.1708
文献購入ページに移動 故・長與健夫先生は2007年(平成19年)10月12日に逝去されました(享年86歳).ご冥福をお祈りいたします.
長與先生は早期胃癌病理学の基礎を築き上げた数少ない1人であり,われわれ消化管疾患の臨床・病理を学ぶ者にとって忘れてはならない病理学者です.すなわち,世界において胃の粘膜内癌あるいは早期癌についての症例報告は1935年ごろから文献上に散見されますが,1950年から多数症例に基づく早期胃癌の病理組織学的研究がなされるようになったのは日本においてであり,長與先生は数少ないその先駆者の一人で,胃粘膜内癌あるいは早期癌の多数症例を用いて病理組織学的に解析を行い報告しています.その時代においては早期胃癌症例はまれであり,手術胃の粘液細胞性粘膜内癌をxanthomaと診断されていたことからもわかるように,それを知っている病理学者は指折り数えるくらいしかいなかった時代です.その後,長與先生は数多くの胃癌に関する先進的な病理組織学的研究を発表していて,1976年には日本病理学会で先生の研究の集大成である宿題報告「胃癌発生に関する組織学的,実験的研究」を報告しています.
長與先生は早期胃癌病理学の基礎を築き上げた数少ない1人であり,われわれ消化管疾患の臨床・病理を学ぶ者にとって忘れてはならない病理学者です.すなわち,世界において胃の粘膜内癌あるいは早期癌についての症例報告は1935年ごろから文献上に散見されますが,1950年から多数症例に基づく早期胃癌の病理組織学的研究がなされるようになったのは日本においてであり,長與先生は数少ないその先駆者の一人で,胃粘膜内癌あるいは早期癌の多数症例を用いて病理組織学的に解析を行い報告しています.その時代においては早期胃癌症例はまれであり,手術胃の粘液細胞性粘膜内癌をxanthomaと診断されていたことからもわかるように,それを知っている病理学者は指折り数えるくらいしかいなかった時代です.その後,長與先生は数多くの胃癌に関する先進的な病理組織学的研究を発表していて,1976年には日本病理学会で先生の研究の集大成である宿題報告「胃癌発生に関する組織学的,実験的研究」を報告しています.
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