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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻12号

2008年11月発行

今月の主題 早期胃癌発育の新たな分析─内視鏡経過例の遡及的検討から

主題

内視鏡経過例における胃癌発育の遡及的検討―肉眼型からみて

著者: 萩原武1 今村哲理1 中野渡正行1 星野拓磨1 吉田英敏1 道上篤1 下立雄一1 寺門洋平1 鈴木肇1 小川秀久1 渡邊秀平1 西岡均1 小澤広1 前田聡1 黒河聖1 本谷聡1

所属機関: 1JA北海道厚生連札幌厚生病院第1消化器科

ページ範囲:P.1723 - P.1733

文献概要

要旨 内視鏡写真の遡及的な検討が可能であった53症例54病変について,内視鏡で発見可能な初期像を隆起型,陥凹型,潰瘍型に分類し形態変化を検討した.隆起型では深部浸潤を来すことはまれで側方への進展速度も遅かった.陥凹型の深部浸潤の速度は様々であり,初期像からの浸潤速度の予測は困難であった.潰瘍型も様々な深部浸潤速度をとり一定の傾向を認めなかった.今後,胃癌の発育の多様性と患者側の要因も考慮した治療方針の決定と,見逃しを減らすために初期像を念頭に置いた内視鏡検査が必要と思われた.

参考文献

1)西澤護,野本一夫,上野正巳,他.固定集団における胃癌の自然史─X線診断の立場より : 特に陥凹性sm癌を中心として.胃と腸 27 : 16-24,1992
2)磨伊正義,三林裕,奥村義治,他.発育経過からみた胃癌の自然史─癌組織型と発育進展様式について.胃と腸 27 : 39-50,1992
3)小越和栄,加藤俊幸,丹羽正之,他.逆追跡による胃癌の発育経過─2年以上の内視鏡経過観察例について.胃と腸 27 : 51-58,1992
4)中村恭一.胃癌の三角─病理学的にみた胃癌診断の考え方.胃と腸 28 : 161-171,1993
5)渡辺英伸,西巻正.胃癌の発育・進展に影響する因子─逆追跡例の解析より.癌と化療 10 : 482- 488,1983
6)中村恭一.胃癌の自然史─“胃癌の一生".胃と腸 27 : 11-15,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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