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追悼
神津照雄君を偲ぶ
著者: 吉田操1
所属機関: 1財団法人早期胃癌検診協会
ページ範囲:P.1870 - P.1870
文献購入ページに移動神津君と私は千葉大学医学部で同級生として過ごしました.受験戦争と言われる時代でしたが,彼にとって現役突破は当たり前でした.何事にも積極的である彼の姿勢は生来のものでした.1969年に卒業して,神津君はかつて中山恒明教授の主宰なさった母校の第二外科教室に,私は中山教授が新たに設立された東京女子医科大学消化器病センター外科に所属し,食道疾患を専門にすることになりました.このころは食道癌早期診断の黎明期にあり,1966年に本邦第1例目の“早期食道癌"が報告され,ファイバースコープの開発が始まっていました.われわれの世代は自然に食道疾患の内視鏡診断にのめり込むようになりました.食道の色素内視鏡検査法を開発,粘膜癌の診断ができるようになり,粘膜癌の病型分類を作り,粘膜癌の病態を明らかにし,局所治療で治癒できると確信できたので,内視鏡的粘膜切除法(endoscopic mucosal resection ; EMR)を開発しました.充実した毎日でした.
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