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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻2号

2008年02月発行

文献概要

今月の主題 消化管GIST―診断・治療の新展開 主題

消化管GISTの診断と悪性度の評価―超音波内視鏡検査と超音波内視鏡下穿刺吸引法

著者: 芳野純治1 乾和郎1 若林貴夫1 奥嶋一武1 小林隆1 三好広尚1 中村雄太1 渡邉真也1 木村行雄1 小坂俊仁1 磯部祥1 杉山和久2 今枝義博2 溝口良順3

所属機関: 1藤田保健衛生大学第二病院内科 2高山久美愛病院内科 3藤田保健衛生大学第二病院病理

ページ範囲:P.163 - P.171

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要旨 外科的切除されたGIST 27例(胃25例,十二指腸1例,大腸1例)のEUS像はA type 13例,B type 8例,C type 6例であった.病理組織像を対比すると,B typeの多くは腫瘤内に出血巣を認め,C type全例に腫瘤内に融解壊死の部分を認めた.EUS像ではC type(内部に無エコーの部分を有する例),あるいは内部エコーが不均一な例に悪性度が高かった.EUS-FNAはGIST 18例に実施され,吸引細胞診によりGISTを示唆された例は66.7%であった.十分な組織標本が採取され,生検標本として病理学的診断されたのは14例(77.8%)で,このうちGISTあるいはGIST疑いと診断された例は11例(78.6%)であった.両者を合わせたGISTとの診断は88.9%(16例/18例)であった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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