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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻3号

2008年03月発行

文献概要

今月の症例

粘膜下腫瘍様の形態を示した早期胃癌の1例

著者: 平田稔彦1 川口哲2 福田精二3

所属機関: 1熊本赤十字病院外科 2熊本赤十字病院消化器科 3熊本赤十字病院病理

ページ範囲:P.250 - P.252

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 〔患 者〕 54歳,男性.2003年9月ごろより上腹部痛あり,同月検診を受け,胃前庭部に隆起性病変を指摘され精査目的に紹介受診となった.来院時理学所見および臨床検査成績に異常所見は認めなかった.

 〔胃X線所見〕 前庭部の大彎側に大きさ約3cm,境界明瞭でなだらかな立ち上がりを有する粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた.中央に不整形で深い潰瘍を有しているが,胃辺縁より突出してはおらずSchattenplus im Schattenmius1)の所見であった(Fig. 1a).撮影体位によっては後壁側から病変に向かうbridging fold様の所見も認められた(Fig. 1b).圧迫撮影でも同様の所見であったが,圧迫の程度によっても形態の変化をほとんど認めず,比較的硬い病変と考えられた(Fig. 1c).

参考文献

1)熊倉賢二.図譜による胃X線診断学―基本所見の成り立ちと読影.金原出版株式会社,pp 301-331, 1986
2)武本憲重,馬場保昌,加来幸生,他.粘膜下腫瘍の形態を示した胃癌のX線診断.胃と腸 30:759-768, 1995
3)石黒信吾,塚本吉胤,春日井務,他.粘膜下腫瘍様の形態を示す胃癌―病理学的検討.胃と腸 38:1519-1526, 2003
4)結城豊彦,佐藤匡,石田一彦,他.粘膜下腫瘍様の形態を示した胃癌―臨床および画像的特徴と鑑別診断.胃と腸 38:1527-1536, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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