icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻3号

2008年03月発行

文献概要

今月の主題 まれな食道良性腫瘍および腫瘍様病変 主題症例

食道epidermizationの2例

著者: 江副康正1 武藤学2 藤井誠志3

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科集学的がん診療学 2京都大学大学院医学研究科消化器内科 3国立がんセンター臨床開発センター臨床腫瘍病理部

ページ範囲:P.296 - P.300

文献購入ページに移動
要旨 食道におけるepidermizationの臨床像について,内視鏡像および病理組織像を中心に概説した.食道epidermizationは,組織学的に扁平上皮の表面に厚い角化層を有するのが特徴であり,この所見が皮膚の表皮に類似していることから,この名称で呼ばれている.epidermizationの内視鏡的特徴は,"鱗状"あるいは"毛羽立ちを有する"白色の付着物と表現され,同病変はルゴールには不染となる.肉眼的には,食道乳頭腫,錯角化,グリコーゲンアカントーシス,限局性食道炎,食道カンジダなどの良性病変に加えて,表在癌との鑑別が必要な病変である.われわれが検索した限りでは,epidermizationの報告は現在までほとんどないため,その真の成因や発生頻度は現段階では不明である.

参考文献

1) Nakanishi Y, Ochiai A, Shimoda T, et al. Epidermization in the esophageal mucosa:unusual epithelial changes clearly detected by Lugol's staining. Am J Surg Pathol 21:605-609, 1997
2) Fukui T, Sakurai T, Miyamoto S, et al. Education and imaging. Gastrointestinal:epidermal metaplasia of the esophagus. J Gastroenterol Hepatol 21:1627, 2006
3) Ionescu DN, Mohan D, Carter G, et al. Epidermoid metaplasia of the cervix. Arch Pathol Lab Med 128:1052-1053, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?