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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 小腸疾患2008 総論 4.小腸検査法

1) 小腸X線検査

著者: 垂石正樹1 斉藤裕輔1 小澤賢一郎1 鈴木聡1 折居史佳1

所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター

ページ範囲:P.417 - P.426

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要旨 カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の登場により全小腸の内視鏡検査が可能となり,小腸疾患の診断は大きな転換期を迎えているが,小腸疾患の重要な位置を占める慢性炎症性疾患の診断には小腸X線検査は必要不可欠である.有管法による小腸二重造影法においては体位の工夫や用手・骨盤内圧迫を加えることにより小腸係蹄を分離することが病変描出に重要である.また大腸内視鏡に引き続いて行う内視鏡的逆行性回腸造影法は骨盤内回腸の微細所見の描出に有用であり,特にCrohn病患者における検査の負担軽減に有用である.小腸X線検査の診断には質の高いX線写真と,丁寧な読影が必要であり,検査の基本を習熟してきめ細かな診断を心がける習慣が大切である.

参考文献

1) Yamamoto H, Sekine Y, Sato Y, et al. Total enteroscopy with a nonsurgical steerable double-balloon method. Gastrointest Endosc 53:216-220, 2001
2) Sturniolo GC, Di Leo V, Vettorato MG, et al. Small bowel exploration by wireless capsule endoscopy:results from 314 procedures. Am J Med 119:341-347, 2006
3)中村裕一,谷啓輔,中村勁,他.経ゾンデ法による小腸X線検査―小腸二重造影法.胃と腸 9:1461-1469, 1974
4) Taruishi M, Saitoh Y, Watari J, et al. Balloon-occluded endoscopic retrograde ileography. Radiology 214:908-911, 2000
5)八尾恒良,櫻井俊弘,高木靖寛,他.小腸の炎症性疾患診断におけるX線検査の有用性.胃と腸 38:990-1004, 2003
6)川村亮機,岡部正人,三隅厚信.小腸の内視鏡観察およびX線同時併用法.胃と腸 20:797-804, 1985
7)竹中国昭,岡田光男,八尾恒良.大腸内視鏡検査を利用した逆行性回腸造影と選択的大腸造影法の検討.胃と腸 27:1435-1448, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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