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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻4号

2008年04月発行

文献概要

特集 小腸疾患2008 各論 2.小腸炎症性疾患

9) 小腸細菌性感染症

著者: 大川清孝1 青木哲哉1 上田渉1 佐野弘治1 会沢信弘1 松井沙織1 小谷晃平1 田中敏弘1 中村志郎2 松本誉之2

所属機関: 1大阪市立総合医療センター消化器内科 2兵庫医科大学内科学下部消化管科

ページ範囲:P.635 - P.642

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要旨 カンピロバクター腸炎は回腸末端に病変を認める頻度は少なく,大腸病変が主体である.サルモネラ腸炎では回腸末端病変の頻度は約80%と高く,病変部位は回盲部主体のものと大腸主体のものに分類できる.この両者は大腸病変を見て,ほとんど診断可能である.腸炎ビブリオ腸炎は病変の主座は小腸であるが,回腸末端と回盲弁にびらん・発赤を認める.エルシニア腸炎とチフスは回腸末端のPeyer板や孤立リンパ小節に病変を作り,回盲弁や上行結腸にも病変を認める.エルシニア腸炎ではびらんやアフタ様病変が主体であるが,チフスでは潰瘍を作ることが多い.これらの診断には内視鏡だけでなく,腹部エコーや腹部CTも役立つ.

参考文献

1)檜沢一興,飯田三雄,松本主之,他.小腸感染症の画像診断.胃と腸 37:267-274, 2002
2)湯浅肇,井出満.腸疾患―消化管エコーの診かた・考えかた,2版.医学書院,pp 102-127, 2004
3)堀木紀行,丸山正隆,藤田善幸,他.感染性腸炎のCT検査所見.日消誌 99:925-934, 2002
4)大川清孝,青木哲哉,上田渉,他.炎症性腸疾患と鑑別困難な感染性腸炎の診断と経過―潰瘍性大腸炎との鑑別を中心に.胃と腸 41:959-970, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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