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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻4号

2008年04月発行

特集 小腸疾患2008

各論 4.全身性疾患の部分症としての小腸病変

4) 血管炎症候群(Schönlein-Henoch紫斑病,Churg-Strauss症候群,結節性多発動脈炎)

著者: 吉田健一1 多田修治1 采田憲昭1 尾崎徹1 鴻江勇和1 八板弘樹1 瀬戸山博子1 庄野孝1 塩屋公孝1 船越禎広1 村岡正武1 上原正義1 江口洋之1 浦田淳資1 今村治男1 神尾多喜浩2

所属機関: 1済生会熊本病院消化器病センター 2済生会熊本病院病理

ページ範囲:P.699 - P.706

文献概要

要旨 血管炎症候群は血管壁の炎症を来し,種々の臨床症状を呈する全身性炎症性疾患の総称である.障害される血管の部位と太さにより,大型血管炎,中型血管炎,小型血管炎に分類され,それぞれ異なる臨床像を呈する.これらの疾患では,臓器症状の1つとして消化管病変をしばしば認め,腹痛や消化管出血,穿孔などの症状を伴う.これらの症状は時に全身症状や皮膚所見に先行してみられ,日常診療において診断に難渋することも少なくない.治療にあたってはステロイド剤や免疫抑制剤を用いるが,時に致死的合併症を生じる場合があり,早期診断,早期治療が極めて重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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