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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻5号

2008年04月発行

文献概要

今月の主題 linitis plastica型胃癌―病態と診断・治療の最前線 主題

linitis plastica型胃癌,特にその初期病変の診断―内視鏡診断(EUSを含む)を中心に

著者: 丸山保彦1 景岡正信1 永田健1 大畠昭彦1 野田裕児1 三輪一太1 池谷賢太郎1 佐藤慎祐2 甲田賢治3 渡辺文利4

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器科 2藤枝市立総合病院放射線科 3藤枝市立総合病院病理診断科 4浜松南病院

ページ範囲:P.811 - P.818

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要旨 linitis plastica(LP)型胃癌の初期病変3症例を提示した.LP型胃癌の初期病変は胃底腺領域のⅡcとして発生する.その浸潤予測はpre LP型胃癌では困難なことが多いが,陥凹周囲のひだのわずかな太まりや発赤調の陥凹底が診断の手がかりとなる可能性がある.latent LP型胃癌では陥凹周囲の台状挙上と硬さ,ひだ走行の滑らかさの欠如により診断可能である.EUSでは癌に伴う線維化の部分はlow echoとして認識できたが,それを越えて浸潤する癌細胞は同定不能であった.胃体部のⅡcで未分化型癌が生検で証明された場合は,伸展性が保たれていてもscirrhousな浸潤の可能性を考え,これらの所見に注意すべきである.

参考文献

1)中村恭一.胃癌の構造,3版.医学書院,pp 283-352, 2005
2)滝澤登一郎,岩崎善毅,小池盛雄.Linitis plastica型胃癌の成立と癌性リンパ管症.胃と腸27:591-598, 1992
3)杉山憲義,馬場保昌,竹腰隆男,他.Linitis plastica状態の胃癌の臨床経過の検討―癌の発育曲線と臨床経過の比較検討.胃と腸15:1153-1163, 1980
4)細井董三.“pre-linitis plastica”型胃癌とは.胃と腸35:880-883, 2000
5)八尾恒良.“pre-linitis plastica”型胃癌とは.胃と腸35:871-873, 2000
6)細川治,裵英洙,海崎泰治,他.“pre-linitis plastica”型胃癌の内視鏡所見の検討.胃と腸35:897-906, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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