文献詳細
文献概要
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編集後記
著者: 大谷吉秀
所属機関:
ページ範囲:P.874 - P.874
文献購入ページに移動 スキルス胃癌,びまん浸潤性胃癌,4型胃癌は臨床の現場ではほぼ同義に用いられている.これらは幽門腺領域に発生し幽門狭窄所見を呈するタイプと,今回の特集で取り上げたlinitis plastica型胃癌に大別される.linitis plastica型胃癌では胃体部の小さなIIcが最終的にはleather bottleの形状を来すことが多いが,初期病変を的確に診断することが何よりも大切である.残念ながら今日でも検診の見逃し例や誤診例は日常診療の現場で経験する.粘膜下層から胃壁全層を月の単位で広がり,粘膜面の変化も乏しく,手術においては切除ラインの決定に慎重な判断を要する.
本誌では過去に3回特集が組まれているが,今回の企画では35巻7号(2000年)以降の新たな展開が網羅的に書かれており,データを集積し執筆された先生方の熱意に感謝したい.日常診療における早期診断への情熱とTS-Iを含む術前化学療法の確立,さらには分子標的治療の導入により,さらなる治療成績の向上につながることを期待したい.本特集を読まれた方々が1例でも多くのlinitis plastica型胃癌の初期病変を見つけ出すことで,患者さんの幸福に貢献できることを期待してやまない.
本誌では過去に3回特集が組まれているが,今回の企画では35巻7号(2000年)以降の新たな展開が網羅的に書かれており,データを集積し執筆された先生方の熱意に感謝したい.日常診療における早期診断への情熱とTS-Iを含む術前化学療法の確立,さらには分子標的治療の導入により,さらなる治療成績の向上につながることを期待したい.本特集を読まれた方々が1例でも多くのlinitis plastica型胃癌の初期病変を見つけ出すことで,患者さんの幸福に貢献できることを期待してやまない.
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