文献詳細
今月の主題 大腸の新しい画像診断
序説
文献概要
消化管の画像診断は本誌の大きなテーマの1つであり,これまで繰り返し検討されてきた.X線・内視鏡所見を切除標本のマクロ像や病理組織像と対比し,所見の成り立ちを解析することにより診断が進歩した.超音波内視鏡が開発され診断法として確立されようとしたときも同様の過程をたどった.大腸の画像診断において病理組織像に立脚したX線検査と内視鏡検査は診断の基本である.
新しい診断学はこれまでの診断学に比してより正確で,より容易に,より安全に,より低侵襲であることを求めて開発されてきた.これらは従来の診断学により細かな検討を加えるか,新しい手段(方法)を開発することにより組み立てられている.それには新しい発想の転換とそれを支える科学技術の進歩があったとも言える.一方,それらが診断学として評価されるには,これまでと同様に病理所見との対比を十分に行うことが求められる.
新しい診断学はこれまでの診断学に比してより正確で,より容易に,より安全に,より低侵襲であることを求めて開発されてきた.これらは従来の診断学により細かな検討を加えるか,新しい手段(方法)を開発することにより組み立てられている.それには新しい発想の転換とそれを支える科学技術の進歩があったとも言える.一方,それらが診断学として評価されるには,これまでと同様に病理所見との対比を十分に行うことが求められる.
参考文献
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