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今月の主題 大腸の新しい画像診断 ノート
共焦点大腸内視鏡
著者: 掛地吉弘1 大垣吉平1 家入里志2 田上和夫2 前原喜彦1 橋爪誠2
所属機関: 1九州大学大学院消化器・総合外科 2九州大学大学院先端医工学診療部
ページ範囲:P.990 - P.992
文献購入ページに移動近年普及してきた拡大内視鏡は100倍程度の拡大率を持ち,pit patternなど消化管粘膜の腺窩や血管などの組織構築が観察できるが,Optiscan Imaging社(Victoria,Australia)とPentax社が共同開発した共焦点内視鏡1)2)は1,000倍の拡大率で,個々の細胞レベルでの観察が可能である.Fig. 1のように通常内視鏡の光学観察部と共焦点レーザー内視鏡装置が一体化しており,内視鏡検査中に通常の内視鏡画像と共焦点画像を併行して同時に見ることができる.488 nmのアルゴンレーザーを消化管粘膜に照射し,組織中の蛍光色素の発する励起光を捉えて画像化する仕組みである(Fig. 2).520μm×470μmのスキャン画像が得られ,対物レンズの位置を動かすことで観察面の深度を変えることができ,粘膜面から250μmほどの深さまで観察可能である(Fig. 3).粘膜組織を垂直面で観察する病理組織像と異なり,共焦点内視鏡画像は水平面での観察像である.個々の細胞は白黒のコントラストで描出されるが,核と細胞質は明確に区別でき,細胞の種類を判別することも十分可能である(Fig. 4).
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