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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻6号

2008年05月発行

文献概要

今月の主題 大腸の新しい画像診断 ノート

共焦点大腸内視鏡

著者: 掛地吉弘1 大垣吉平1 家入里志2 田上和夫2 前原喜彦1 橋爪誠2

所属機関: 1九州大学大学院消化器・総合外科 2九州大学大学院先端医工学診療部

ページ範囲:P.990 - P.992

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共焦点内視鏡

 近年普及してきた拡大内視鏡は100倍程度の拡大率を持ち,pit patternなど消化管粘膜の腺窩や血管などの組織構築が観察できるが,Optiscan Imaging社(Victoria,Australia)とPentax社が共同開発した共焦点内視鏡1)2)は1,000倍の拡大率で,個々の細胞レベルでの観察が可能である.Fig. 1のように通常内視鏡の光学観察部と共焦点レーザー内視鏡装置が一体化しており,内視鏡検査中に通常の内視鏡画像と共焦点画像を併行して同時に見ることができる.488 nmのアルゴンレーザーを消化管粘膜に照射し,組織中の蛍光色素の発する励起光を捉えて画像化する仕組みである(Fig. 2).520μm×470μmのスキャン画像が得られ,対物レンズの位置を動かすことで観察面の深度を変えることができ,粘膜面から250μmほどの深さまで観察可能である(Fig. 3).粘膜組織を垂直面で観察する病理組織像と異なり,共焦点内視鏡画像は水平面での観察像である.個々の細胞は白黒のコントラストで描出されるが,核と細胞質は明確に区別でき,細胞の種類を判別することも十分可能である(Fig. 4).

参考文献

1)橋爪誠,掛地吉弘.内視鏡診断:光生検―Endomicroscope(共焦点レーザー内視鏡).消化器内視鏡 17:770-775, 2005
2)掛地吉弘,家入里志,田上和夫,他.内視鏡的粘膜切除術:術式の選択―共焦点内視鏡を用いた消化器癌のリアルタイム画像診断.消化器医学 3:71-76, 2005
3) Kiesslich R, Burg J, Vieth M, et al. Confocal laser endoscopy for diagnosing intraepithelial neoplasias and colorectal cancer in vivo. Gastroenterology 127:706-713, 2004
4) Kakeji Y, Yamaguchi S, Yoshida D, et al. Development and assessment of morphologic criteria for diagnosing gastric cancer using confocal endomicroscopy:an ex vivo and in vivo study. Endoscopy 38:886-890, 2006
5) Korenaga D, Haraguchi M, Okamura T, et al. DNA ploidy and tumor invasion in human gastric cancer. Histopathologic differentiation. Arch Surg 124:314-318, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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