文献詳細
今月の主題 消化管follicular lymphoma―診断と治療戦略
主題
消化管follicular lymphomaの治療方針―私はこう考える
著者: 田利晶1 麻奥英毅2 柏戸宏造3 田中信治4 福本晃4 谷洋1 藤原恵5 中山宏文6 吉野正7
所属機関: 1広島赤十字・原爆病院第6内科 2広島赤十字・原爆病院検査部 3広島赤十字・原爆病院放射線部 4広島大学病院光学医療診療部 5広島赤十字・原爆病院病理部 6広島大学大学院分子病理学 7岡山大学大学院病理・病態学
ページ範囲:P.1099 - P.1102
文献概要
1.臨床病期(Lugano classification)I,II1(histological grade 1-2,WHO);watch and wait.
2.臨床病期II2,IIE,IV;rituximub+CHOP(rituximab+cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, prednisolone)
臨床病期I,II1(histological grade 1-2,WHO classification)にてwatch and waitである根拠
1.消化管FLは十二指腸下行部のみでなく高い頻度でさらに深部の十二指腸や小腸に多発する病変を伴っている
節外性FLとしてよく経験される浸潤臓器としては消化管,特に十二指腸下行部ないしはそれ以遠の消化管が知られており1)2),その肉眼型は多くの病変において白色小顆粒状隆起の散在ないし集簇あるいはしばしば癒合して結節状となった隆起性の肉眼型を呈する.また,少数ながら“lymphomatous polyposis”を呈する症例が存在する.近年ダブルバルーン内視鏡(double balloon enteroscopy;DBE)の考案とその普及により全小腸の詳細な観察と生検が可能となった.それに伴い,われわれの施設において,十二指腸に病変の主座を有する治療前のFL 10例(M/F=5/5,年齢;50~62,臨床病期I:8,臨床病期II1:1,臨床病期IV:1)の中で同意した3人の患者(臨床病期I:2例,臨床病期II1:1例)を対象としてDBEの検査を実施したところ,全員に小腸にもFLの病変を認めた(症例をFig. 2, 3に呈示する).十二指腸および小腸の病変は,腹部超音波検査・CT scan(頸部~骨盤)・18F-FDG-PET(fluorine-18 fluorodeoxyglucose positron emission tomography)では指摘することができなかった.Damajらの25例の消化管原発FLの検討でも回腸52%が最も頻度が高く,十二指腸36%,空腸24%であり3),またFLの消化管病変のスクリーニング目的としての18F-FDG-PETをはじめとする他の検査の有用性が乏しいことも報告されており4),十二指腸下行部にFLの病変を有する患者においては,たとえ他の検査で異常がなくともDBEによる全小腸の検索によって本邦でも小腸からも高頻度に病変が発見されることが予測される.
参考文献
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