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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻8号

2008年07月発行

文献概要

今月の主題 胃癌に対する内視鏡スクリーニングの現状と将来 主題

胃癌のスクリーニングとしての内視鏡検査の現状と問題点―病院受診者の立場から

著者: 萩原武1 今村哲理1 本谷聡1 中野渡正行1 黒河聖1 小澤広1 前田聡1 西岡均1

所属機関: 1札幌厚生病院胃腸科

ページ範囲:P.1177 - P.1185

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要旨 病院受診者に対しては,内視鏡検査が臨床診断およびその範疇で行われる検診胃X線検査後の精密検査の第一選択として行われているのが現状である.しかし,内視鏡偽陰性例(見逃し例)の発生も少なからず存在しており,第一に偽陰性例を減らす努力と,第二に一定の割合で偽陰性が発生するとしたうえでの,病院受診者個人の胃癌発生のリスクや胃癌の多様性を考慮した適切な内視鏡検査間隔の設定が今後は必要であると思われる.

参考文献

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2)平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班.有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン,http://canscreen. ncc. go. jp/gastric-guide060714.pdf
3)細川治,海崎泰治,津田昇志他,他.内視鏡検査で偽陰性となった進行胃癌の検討.癌の臨床 46:121-126, 2000
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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