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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻8号

2008年07月発行

今月の主題 胃癌に対する内視鏡スクリーニングの現状と将来

主題

胃がん検診ガイドラインの問題点

著者: 三木一正123

所属機関: 1東邦大学医学部 2癌研有明病院 3日本胃がん予知・診断・治療研究機構

ページ範囲:P.1147 - P.1151

文献概要

要旨 平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法に関する研究」班(祖父江班)から発表された胃がん検診ガイドラインにおいて,胃内視鏡検診は死亡率減少効果を証明する研究が行われていないことから,対策型検診としての実施は勧められないと評価されている.わが国における内視鏡の普及,国民の意識を考えると,胃X線検診の受診率向上は難しく,胃内視鏡検診の有効性を証明する研究を行うことが急務であるが,個人情報の問題や研究に長期を要することなど,一施設,一研究者の立場で行うことは困難であり,国策として行われることを要望する.将来的にはペプシノゲン法とHelicobacter pylori IgG抗体によるリスクに応じた胃内視鏡検診の有効性の確立が望まれる.

参考文献

1)平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班.有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン,2005
2)平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班.胃がん検診ガイドライン公開フォーラム資料,2005
3)ゆれる前立腺がん・PSA検診 早期発見,適切な治療が最も重要 厚労省研究班の指針(案)は「がん対策基本法」の理念に反す.Japan Medicine 9月28日号,2007
4)細川治,服部昌和,武田孝之.繰り返し内視鏡検査による胃がん死亡率減少効果.日消がん検診誌 46:14-19, 2008
5)厚生労働科学研究費補助金「血清学的スクリーニングによる胃がん検診の効果と効率に関する研究」班.平成13~15年度研究報告書.
6)厚生労働科学研究費補助金「胃がんスクリーニングのハイリスクストラテジーに関する研究」班.平成16~18年度研究報告書.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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