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今月の主題 colitic cancer/dysplasiaの早期診断─病理組織診断の問題点も含めて 序説
colitic cancer/dysplasiaの早期診断
著者: 武藤徹一郎1
所属機関: 1癌研有明病院
ページ範囲:P.1271 - P.1272
文献購入ページに移動 colitic cancer/dysplasiaの話題は基礎研究の面でも臨床研究の面でも,大腸疾患の中で最も興味深く話題豊富な分野であると思う.2005年に,これが最後と思って,ある成書の序文でcolitic cancerについて思いの丈を述べさせてもらったが,再びお鉢がまわってくることになった.どうも,この領域も役者不足らしい.
さて,この3年間で何か変わったことがあったのだろうか? 徐々にではあるがUC(ulcerative colitis)患者は着実に増え続けている.したがってcolitic cancer/dysplasiaの候補者も累積的に増えている.しかしその実態はどうなのかという報告は見たことがない.7年以上経過した全大腸炎型および左側結腸型のUCすべてにsurveillanceを行う,という従来からの方式に従っているのでは効率が悪すぎる.高危険群を選別することが極めて重要であるにもかかわらず,その方向性を示唆する研究は見当たらない.難治性炎症性腸疾患調査研究班(日比班)と大腸癌研究会の会員の一部が協力して,大規模な調査研究をスタートさせたが,まだ結果を得るまでには至っていない.この研究によってわが国のcolitic cancer/dysplasiaの実態がかなり明らかになるだろうと期待している.
さて,この3年間で何か変わったことがあったのだろうか? 徐々にではあるがUC(ulcerative colitis)患者は着実に増え続けている.したがってcolitic cancer/dysplasiaの候補者も累積的に増えている.しかしその実態はどうなのかという報告は見たことがない.7年以上経過した全大腸炎型および左側結腸型のUCすべてにsurveillanceを行う,という従来からの方式に従っているのでは効率が悪すぎる.高危険群を選別することが極めて重要であるにもかかわらず,その方向性を示唆する研究は見当たらない.難治性炎症性腸疾患調査研究班(日比班)と大腸癌研究会の会員の一部が協力して,大規模な調査研究をスタートさせたが,まだ結果を得るまでには至っていない.この研究によってわが国のcolitic cancer/dysplasiaの実態がかなり明らかになるだろうと期待している.
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