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文献詳細

雑誌文献

胃と腸43巻9号

2008年08月発行

文献概要

今月の主題 colitic cancer/dysplasiaの早期診断─病理組織診断の問題点も含めて 座談会

colitic cancer/dysplasia早期発見の現状と問題点

著者: 渡邉聡明1 岩男泰2 工藤進英3 藤盛孝博4 松本主之5 田中信治6 平田一郎7 味岡洋一8

所属機関: 1帝京大学医学部外科 2慶應義塾大学病院包括先進医療センター 3昭和大学横浜市北部病院消化器センター 4獨協医科大学病理学 5九州大学大学院病態機能内科学 6広島大学病院光学医療診療部 7藤田保健衛生大学消化管内科 8新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野

ページ範囲:P.1378 - P.1398

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 平田(司会) 近年,本邦でも欧米のごとく,IBD(inflammatory bowel disease)長期経過例が増加しています.したがって,IBDにおける癌合併といった問題点が,クローズアップされています.従来より,潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)では癌合併の対策としてサーベイランスが行われています.欧米のガイドラインでは,サーベイランスの際に大腸内視鏡下に数十個のrandom biopsyを推奨していますが,その効率性に問題がないとは言えません.本邦でも1988年に,当時の欧米のガイドラインに準じ,大腸を10cmおきにstep biopsyするサーベイランスの方法が推奨されました.しかし,2006年に厚生労働省の班会議のプロジェクトとして,target biopsyによるサーベイランスの試みがなされ,癌の発見率は3.8%で,欧米のrandom biopsyの発見率に比べて遜色がないというpreliminaryなデータが発表されています.こうした現実を踏まえ,今後,colitic cancer/dysplasiaの早期発見,早期治療には,どのような方法が最も効率的であるかについて討論したいと思います.その中で腫瘍性粘膜と炎症性粘膜との鑑別をどのように行っていくのか,sporadicな腫瘍と炎症を母地とする腫瘍との鑑別はどうすべきかといった点において,本邦で発展した色素内視鏡,拡大内視鏡がどのような有用性を示すのか議論されるところであります.それからp53免疫染色を含め,分子病理学的な検討はどのように評価されていくのか,あるいは内視鏡下の生検以外の新たなマーカーによるハイリスク群の絞り込みは可能なのか,といった点についても討論いただきたいと思います.まず,欧米におけるcolitic cancer/dysplasiaサーベイランスの現状と問題点について,先生方のご意見をお聞きします.サーベイランスの開始時期や検査間隔,あるいはハイリスク群とそうでない群を区別すべきかなどについてご意見をお願いします.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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