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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻1号

2009年01月発行

文献概要

今月の主題 未分化型胃粘膜内癌のESD―適応拡大の可能性 主題

未分化型胃粘膜内癌に対するESD/EMRの成績と長期予後

著者: 横井千寿12 新保卓郎3 草野央1 小田一郎1 鈴木晴久1 平島徹朗1 桐山真典1 吉永繁高1 中島健1 松田尚久1 斎藤豊1 後藤田卓志1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院内視鏡部 2国立国際医療センター戸山病院消化器科 3国立国際医療センター研究所医療情報解析研究部

ページ範囲:P.71 - P.80

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要旨 国立がんセンター中央病院で1999年1月~2005年12月の期間に内視鏡的切除が施行された未分化型腺癌112病変107症例の治療成績と長期予後を検討した.切除方法は strip biopsy 4病変,ESD 108病変であった.穿孔率1.8%,一括断端陰性切除率85.7%であった.“脈管侵襲がなく,2cm以下で潰瘍成分を認めない粘膜内癌”の一括断端陰性切除例を治癒切除と定義すると,治癒切除例および非治癒切除・追加外科手術施行例に比べ,非治癒切除・追加外科手術未施行例の長期予後は有意に不良であった.全生存期間に影響を与える因子として脈管侵襲(lyまたはv),深達度,水平断端と最終根治度評価後の追加外科手術の有無が挙げられた.

参考文献

1)Gotoda T, Yanagisawa A, Sasako M, et al. Incidence of lymph node metastasis from early gastric cancer. estimation with a large number of cases at two large centers. Gastric Cancer 3 : 219-225, 2000
2)笹子三津留,木下平,丸山圭一.早期胃癌の予後.胃と腸 28 : 139-146, 1993
3)濱中久尚,後藤田卓志,横井千寿,他.早期胃癌に対する切開・剥離法の治療成績と問題点─ITナイフ.胃と腸 39 : 27-34, 2004
4)草野央,後藤田卓志,岩崎基,他.早期胃癌に対する内視鏡切除後の長期予後─ガイドライン病変と適応拡大病変との比較.胃と腸 43 : 74-80, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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