胃と腸44巻1号

2009年01月発行

形態診断に役立つ組織化学・分子生物学

―上皮性腫瘍の粘液細胞形質診断―組織化学：レクチンを含めて（1）

著者： 太田浩良¹ 羽山正義² 小野謙三³ 勝山努⁴

所属機関： ¹信州大学医学部保健学科生体情報検査学 ²信州大学医学部保健学科病因病態検査学 ³公立陶生病院病理部 ⁴信州大学医学部医学科病態解析診断学

ページ範囲：P.118 - P.120

文献概要

はじめに

　粘液の主体を成すムコ物質はプロテオグリカン（proteoglycan）と糖蛋白質に大別される．粘液組織化学は，このムコ物質を対象とする組織化学の一分野である．粘液の組織化学に関して2回にわたり，それぞれ①粘液の構造，②粘液の組織化学的染色の原理と意義を中心に解説したい．

参考文献

1）Neutra MR, Forstner JF. Gastrointestinal mucus : synthesis, secretion and function. Johnson LR（ed）. Physiology of the tastrointestinal tract 2nd ed. Raven Press, pp 975-1009, 1987

2）Dekker J, Rossen JW, Buller HA, Einerhand AW. The MUC family : an obituary. Trends Biochem Sci 27 : 126-131, 2002

3）小野謙三，大城真理子，太田浩良，他．プロテオグリカンと癌．病理と臨床 13 : 1121-1129, 1995