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今月の主題 食道小扁平上皮癌の診断 ノート
食道小病変の診断の手順
著者: 小山恒男1
所属機関: 1佐久総合病院胃腸科
ページ範囲:P.1755 - P.1758
文献購入ページに移動要旨 食道小扁平上皮癌発見には赤色域を探すことが重要だが,白色光(WL)では背景粘膜も赤く見えるため,色調差がわずかである.NBIを用いると微小癌は褐色に見え,背景粘膜とのコントラストが明瞭となる.最も感度が高い検査はヨード染色だが,被験者に苦痛を与えるのみならず,食道炎を惹起するため表在癌の表面が脱落し非腫瘍性上皮で再生されることがある.ヨード撒布は切除当日まで温存し,WL,NBIで表在癌,小癌を発見することが望まれる.
参考文献
1)小山恒男,都甲昭彦,宮田佳典,他.表層拡大型食道表在癌(深達度 m2)の1例.胃と腸 30 : 1055-1058, 1995
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