icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻11号

2009年10月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

慢性骨髄単球性白血病における白血病細胞の大腸浸潤

著者: 神谷芳雄1 平田一郎1 溝口良順2

所属機関: 1藤田保健衛生大学病院消化管内科 2藤田保健衛生大学病院病理部

ページ範囲:P.1785 - P.1793

文献購入ページに移動
要旨 CMMoLのAML(M4)への急性白血病化と時を同じくして下痢および血便を来し,直腸から盲腸まで連続性に多発する頂部にびらん,もしくは白苔を伴うリンパ濾胞様の小隆起性病変を呈した白血病細胞の大腸浸潤の1例を経験した.CMMoLの大腸granulocytic sarcomaは極めてまれであり,これまでの報告はわずか2例であるが,本症例の病変の肉眼形態はそのいずれとも異なっていた.診断確定時には患者の全身状態が悪く原疾患への治療を行うことができなかった.疾患頻度の低さから現時点での確立された治療法はなく,今後の課題と考えられた.

参考文献

1)秋山暢,大和田啓,梶原耕一,他.大腸に顆粒球肉腫を生じた慢性骨髄単球性白血病.臨血 43 : 937-942, 2002
2)渡辺直子,高橋隆幸,坂元裕一郎,他.経過中に胸膜浸潤を呈し,急性白血病への移行時には消化管浸潤による大量下血,大腸穿孔をきたした慢性骨髄単球性白血病.臨血 45 : 546-550, 2004
3)広重幸雄,松本昇,藤井寿一,他.白血病に合併する消化管障害.臨血 18 : 861-867, 1977
4)Davey FR, Olson S, Kurec AS, et al. The immunophenotyping of extramedullary myeloid cell tumors in paraffin-embedded tissue sections. Am J Surg Pathol 12 : 699-707, 1988
5)Krause JR. Granulocytic sarcoma preceding acute leukemia : a report of six cases. Cancer 44 : 1017-1021, 1979
6)List AF, Gonzalez-Osete G, Kummet T, et al. Granulocytic sarcoma in myelodysplastic syndromes : clinical marker of disease acceleration. Am J Med 90 : 274-276, 1991
7)栗田宗次.腫瘤形成性白血病について.臨血 23 : 433-440, 1982
8)長尾忠美,上村致信,土岐博信,他.腫瘤形成性白血病の治療に関する臨床的研究.臨血 16 : 19-24, 1975

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら