文献詳細
今月の主題 消化管癌の化学・放射線療法の効果判定と問題点
序説
文献概要
なぜ今効果判定が問題となるのか
胃癌をはじめとする消化管癌に対しての化学・放射線療法の効果判定法を確立することは,これまでも様々な面より検討されてきたが,まだ満足できる基準はないのが現状である.1979年のWHO Hand Bookなどに記載された規準の問題点とRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumor)が提案される過程は文献1に詳しく述べてあるが1),わが国では癌の臨床研究に携わる人々に必ずしも受け入れられてはいない.RECISTの問題点については他項で詳しく述べられると思われるが,本来最も重要視されるべき原発巣の評価がないことがその理由である.
近年わが国で開発されたS1など,胃癌に有効な薬剤が広く使用され,また従来化学療法に見るべき成果がなかった大腸癌に対しても有望な治療法が広まり,客観的,科学的効果判定法の確立が求められている.消化管診断学が最も盛んで,レベルが高いわが国での確立が求められており,この分野で世界をリードしてきた本誌にとっても今号は重要なテーマと考える.
胃癌をはじめとする消化管癌に対しての化学・放射線療法の効果判定法を確立することは,これまでも様々な面より検討されてきたが,まだ満足できる基準はないのが現状である.1979年のWHO Hand Bookなどに記載された規準の問題点とRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumor)が提案される過程は文献1に詳しく述べてあるが1),わが国では癌の臨床研究に携わる人々に必ずしも受け入れられてはいない.RECISTの問題点については他項で詳しく述べられると思われるが,本来最も重要視されるべき原発巣の評価がないことがその理由である.
近年わが国で開発されたS1など,胃癌に有効な薬剤が広く使用され,また従来化学療法に見るべき成果がなかった大腸癌に対しても有望な治療法が広まり,客観的,科学的効果判定法の確立が求められている.消化管診断学が最も盛んで,レベルが高いわが国での確立が求められており,この分野で世界をリードしてきた本誌にとっても今号は重要なテーマと考える.
参考文献
1)Therasse P, Arbuck SG, Eisenhauer EA, et al. New guidelines to evaluate the response to treatment in solid tumor. European Organization for Research and Treatment of Cancer, National Cancer Institute of the United States, National Canner Institute of Canada. J Natl Cancer Inst 92 : 205-216, 2000
2)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
3)日本食道学会(編).臨床・病理食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
4)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版補訂版.金原出版,2009
5)Eisenhauer EA, Therasse P, Bogaerts J, et al. New response evaluation criteria in solid tumours : revised RECIST guideline(version 1.1). Eur J Cancer 45 : 228-247, 2009
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