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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻12号

2009年11月発行

今月の主題 消化管癌の化学・放射線療法の効果判定と問題点

主題

画像診断による化学療法の原発巣の効果判定―大腸癌─内視鏡検査および総合評価

著者: 鷹尾まど佳1 山崎健太郎2 朴成和2 田中雅樹2 角嶋直美2 滝沢耕平2 池原久朝1 松林宏行1 山口裕一郎1 小野裕之1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 2静岡県立静岡がんセンター消化器内科

ページ範囲:P.1879 - P.1886

文献概要

要旨 一般的に化学療法の治療効果判定にはRECISTが用いられ,内視鏡の有用性は明確ではない.原発巣を切除せずに化学療法を先行した切除不能進行大腸癌症例を対象に,内視鏡による原発巣における化学療法効果判定の意義を検討した.今回の31例の検討ではRECISTの総合効果がPR,SD時には原発巣の内視鏡所見が増悪したものはなく,定期的な内視鏡検査は必要ないことが示唆された.一方,RECISTの総合効果がPD時,特にCTにて原発巣による腸管の通過障害が疑われた場合は腸管狭窄を来す可能性が高くなることから内視鏡での評価が望ましいと考えられた.今後はCTの弱点を内視鏡でいかに補うかについての検討が必要と考える.

参考文献

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5)Benoist S, Pautrat K, Mitry E, et al. Treatment strategy for patients with colorectal cancer and synchronous irresectable liver metastases, Bri J Surg 92 : 1155-1160, 2005
6)固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECISTガイドライン)─日本語訳JCOG版.Excerpta Medeca,pp 1-18,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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