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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻12号

2009年11月発行

文献概要

今月の主題 消化管癌の化学・放射線療法の効果判定と問題点 主題

消化管癌に対する化学・放射線療法の組織学的効果判定の基準

著者: 神寛之12 堤伸二12 赤坂治枝12 工藤康之13 原精一14 諸橋聡子12 佐藤冬樹12 鬼島宏1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科病理生命科学講座 2弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座 3弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科学講座 4東邦大学医療センター大森病院消化器内科

ページ範囲:P.1894 - P.1900

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要旨 現在,消化管癌に対しては様々な化学・放射線療法が実施されており,その結果,近年,術前治療を施行された手術検体を取り扱うことが増えてきている.本稿では,化学・放射線療法の組織学的効果判定の基準を解説する.確実に組織学的効果判定を行うためには,まず,手術標本を適切に切り出すことが必要である.次に,組織診断において癌細胞の変性,間質の変化などから治療前に癌組織が存在していた範囲を推定し,実際に残存する癌組織と比較して,慎重に効果判定を行わなければならない.

参考文献

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2)日本食道疾患研究会(編).臨床・病理食道癌取扱い規約,10版.金原出版,2007
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4)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,7版補訂版.金原出版,2009
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8)山本智理子,加藤洋.胃癌・大腸癌の組織学的治療効果判定の歴史と実際.病理と臨 26 : 447-453, 2008
9)日本食道疾患研究会(編).臨床病理食道癌取扱い規約,10版.金原出版,p33,2007
10)Becker K, Mueller JD, Schulmacher C, et al. Histomorphology and grading of regression in gastric carcinoma treated with neoadjuvant chemotherapy. Cancer 98 : 1521-1530, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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