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今月の症例
虫垂杯細胞カルチノイドの1例
著者: 芦塚伸也1 星子新理1 中島孝治1 早稲田文子1 稲津東彦1 北村和雄1 梅北佳子2 田中弘之2 片岡寛章2 長池幸樹3 佛坂正幸3 千々岩一男3
所属機関: 1宮崎大学医学部内科学講座循環体液制御学分野 2宮崎大学医学部病理学講座腫瘍・再生病態学分野 3宮崎大学医学部外科学講座腫瘍機能制御外科学分野
ページ範囲:P.1940 - P.1942
文献購入ページに移動〔大腸造影所見〕 充盈像では虫垂口付近に陰影欠損を認め,虫垂は描出されなかった(Fig. 1a).圧迫像では虫垂口付近および回盲弁上唇に不整なバリウム斑を認め,回盲弁は緊満しバリウムは回腸へ移行しなかった(Fig. 1b).二重造影では虫垂口付近の粘膜表面は顆粒結節状で,同部から回盲弁上唇にかけて伸展不良所見を認めた.虫垂口付近,回盲部上唇肛門側(Fig. 1c, 矢印)には辺縁不整な小潰瘍が認められた(Fig. 1c, d).
〔下部消化管内視鏡所見〕 回盲弁上唇肛門側に小潰瘍を認めた(Fig. 2a).回盲弁は硬く緊満し,回腸への内視鏡挿入は困難であった(Fig. 2b).虫垂口周囲は結節状で辺縁不整な潰瘍と発赤を伴っていた(Fig. 2c, d).盲腸および回盲弁肛門側の潰瘍部生検より低分化腺癌が検出され,右半結腸切除術およびD3郭清を施行した.
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