文献詳細
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書評「患者にやさしい経鼻内視鏡ハンドブック[DVD付]」 フリーアクセス
著者: 河野辰幸1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院・食道・胃外科診療科
ページ範囲:P.258 - P.258
文献概要
略歴にある通り,著者はもともと外科医としてスタートしており,本書に示された多くの工夫には外科医としての経歴をうかがわせるものが少なくない.そもそもツールとしての上部消化管内視鏡の目的と意義は何であろうか? 疾患の存在を確認しその性状をできるだけ正確に捉えること,表層性の癌であればその広がりと壁深達度を診断すること,あるいは特記すべき異常のない状況を確認すること,そして,可能であれば疾患の治療(処置)にまで利用することである.しかし,第一線の臨床医にそのすべてが求められているわけではなく,求められるのは治癒が十分に期待できる早期癌の拾い上げや様々な疾患の存在・確認診断であり,高性能内視鏡や拡大観察でなければ見えないような微小癌までを発見することではない.では内視鏡により咽頭から十二指腸までの上部消化管疾患を同定し,患者の利益とするためには何が重要か? 言うまでもなく,検査に対する患者のコンプライアンスを高めることであり,機器の性能を十分に引き出すための内視鏡医の技術である.
掲載誌情報