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今月の主題 食道扁平上皮癌に対するESDの適応と実際 序説
食道扁平上皮癌に対するESDの適応と実際
著者: 小山恒男1
所属機関: 1佐久総合病院胃腸科
ページ範囲:P.307 - P.309
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かつて食道癌の標準的治療は,転移の有無にかかわらず外科的治療であった.しかし,外科切除標本の検討結果から上皮内(epithelium;EP)および粘膜固有層(lamina propria mucosae;LPM)にとどまる食道扁平上皮癌のリンパ節転移率はほぼ0%であることが証明され,これらの癌は局所切除術で根治可能であると考えられた.そこで,1990年代の初頭に食道EMR(endoscopic mucosal resection)という新たな治療法がわが国で開発され1)~3),瞬く間に日本国内に普及した.そして,食道EMRは世界的に高く評価され,日本国内のみならず世界中に広く普及した.
かつて食道癌の標準的治療は,転移の有無にかかわらず外科的治療であった.しかし,外科切除標本の検討結果から上皮内(epithelium;EP)および粘膜固有層(lamina propria mucosae;LPM)にとどまる食道扁平上皮癌のリンパ節転移率はほぼ0%であることが証明され,これらの癌は局所切除術で根治可能であると考えられた.そこで,1990年代の初頭に食道EMR(endoscopic mucosal resection)という新たな治療法がわが国で開発され1)~3),瞬く間に日本国内に普及した.そして,食道EMRは世界的に高く評価され,日本国内のみならず世界中に広く普及した.
参考文献
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