文献詳細
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書評「IIcがわかる80例―早期胃癌診断のエッセンス」 フリーアクセス
著者: 杉野吉則12
所属機関: 1慶大大学院・放射線科 2慶應義塾大学病院 予防医療センター
ページ範囲:P.310 - P.310
文献概要
著者は,胃X線診断学を故熊倉賢二先生から学ばれて,40年間にわたって研鑽を積んでこられた.私にとってはいわば兄弟子にあたり,書評を書かせていただくのはおそれ多い存在である.本書を開いた第一印象は,中野先生には失礼であるが,ほぼ全例,私が自分で検査した症例のように錯覚したことである.つまり,長年にわたって熊倉先生から学ばれた撮影法で,病変を正確に描出されており,まさに,私が撮影しようと頭に描いている画像ばかりである.それも,細部にわたってきっちりと撮影されているので,今後は,私も精密検査の前後に必ず開けてみるために,常に手元に置いておきたい本である.序にも書かれているように,本書は読むのではなく,時間をかけてじっくりと観るべきである.無駄な説明はなく,「本物」のX線画像が肉眼標本や病理組織の所見を忠実に表していることを実感し,学んでほしい.
掲載誌情報