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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻3号

2009年03月発行

文献概要

今月の主題 食道扁平上皮癌に対するESDの適応と実際 主題

ITナイフ2による食道ESD

著者: 田中雅樹1 蓮池典明1 小野裕之1 滝沢耕平1 角嶋直美1 池原久朝1 大竹陽介1 松林宏行1 山口裕一郎1

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.359 - P.364

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要旨 ITナイフは胃ESDで頻用されているが,食道ESDでは使用頻度が低い.主な理由として,① 食道は壁が薄く,ITナイフに特徴的な操作である“引き切り"操作を胃と同様の感覚で行うと容易に穿孔する,② ITナイフは縦方向の切開能は高いが,食道のような狭い管腔内では横方向への切開が困難である,などがあり,食道ESDには先端系デバイスが選択されることが多い.ITナイフ2(IT-2)は従来型の欠点を補う形で開発され,胃ESDでは良好な成績が報告されている.食道においても,IT-2の特性を理解し適切な操作を習得することで,安全かつ切除時間の短いESDが可能となる.本稿では,IT-2による食道ESDのコツと注意点を中心に述べる.

参考文献

1)小山恒男.Endoscopic surgery切開・剥離EMR─Hookナイフを中心に.日本メディカルセンター,2003
2)Toyonaga T, Nisiho E, Hirooka T, et al. Use of short needle knife for esophageal endoscopic submucosal dissection. Dig Endosc 17 : 246-252, 2005
3)Fujishiro M, Yahagi N, Kakushima N, et al. Endoscopic submucosal dissection of esophageal squamous cell neoplasms. Clin Gastoroenterol Hepatol 4 : 688-694, 2006
4)宮崎信一,青木泰斗,落合武徳.ITナイフによる食道ESD─コツとポイント.小山恒男(編).食道・胃ESDの基本手技.メジカルビュー社, pp 113-116, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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