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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻3号

2009年03月発行

今月の主題 食道扁平上皮癌に対するESDの適応と実際

主題

食道ESDの実際―三角ナイフ

著者: 南ひとみ1 井上晴洋1 池田晴夫1 佐藤嘉高1 加賀まこと1 菅谷聡1 工藤進英1

所属機関: 1昭和大学横浜市北部病院消化器センター

ページ範囲:P.374 - P.377

文献概要

要旨 三角ナイフは,先端に三角形の刃を配置したいわゆる先端系ナイフであり,① マーキングから切開・剥離までの一連の操作を単一のデバイスで行う,② 器具の使用に際して軸合わせが不要,の2点を意図して開発された(Fig. 1a, b).基本手技は,標的の組織をフックし,管腔側に挙上し,通電する,の反復であり,三角ナイフ1本のみ処置が可能である.当センターでは,2001年4月の開院以来2008年8月31日までに,食道のEMR 168件,ESD 89件,計257件を施行し,ESDのうち穿孔は1件(1.1%),後出血は0件(0%)である.穿孔率・出血率とも低い数字を保っており,三角ナイフは合併症の少ない安全な処置具であると考えている.また,一括切除,再発においても有用であると考えられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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