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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻4号

2009年04月発行

特集 早期胃癌2009

主題 4.早期胃癌の肉眼型─決め方・考え方とその典型像

1)0 I型,0 IIa型

著者: 中原慶太1 渡辺靖友1 田宮芳孝2 芹川習3 米湊健4 松尾健1 河野弘志1 鶴田修1 佐田通夫1 孝富士喜久雄5 秋葉純6 立石秀夫7 前川進8

所属機関: 1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 2大牟田市立総合病院内科 3芹川消化器内科クリニック 4松山赤十字病院内科 5久留米大学医学部外科学講座 6久留米大学医学部病理学講座 7公立八女総合病院内科 8枝川内科胃腸科

ページ範囲:P.507 - P.521

文献概要

要旨 早期胃癌の肉眼型亜分類のうち0 I型と0 IIa型の違いは隆起の高さである.胃癌取扱い規約にしたがい,組織学的な隆起の高さが正常胃粘膜の2倍以内のものを0 IIa型,それを超えるものを0 I型と判定する.隆起主体の癌の組織型は,そのほとんどが腺管形成能を有する分化型癌である.臨床診断のポイントは,隆起の形・輪郭,辺縁・境界,基部の形状,丈の高さ,表面性状,色調である.臨床病理学的特徴として,0 IIa型はtub1-tub2 ,0 I型はtub1-papが多く,0 I型ではSM浸潤やリンパ節転移の点で注意が必要である.このような点を踏まえ,精度の高い胃X線・内視鏡検査を駆使し,適切な診断・治療を行う.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
2)中村恭一.胃癌の構造,3版.医学書院,2005
3)中村恭一.胃癌の三角─病理学的にみた胃癌診断の考え方.胃と腸 28 : 161-170, 1993
4)馬場保昌,吉田諭史.組織特性からみた早期胃癌のX線診断.日本消化器がん検診学会誌 46 : 166-176, 2008
5)杉野吉則,熊倉賢二,今井裕,他.早期胃癌X線診断における装置・造影剤および検査法の進歩.胃と腸 38 : 11-20, 2003
6)馬場保昌,吉田諭史,長浜隆司,他.胃X線検査のポイント─精密検査法.胃と腸 38 : 872-884, 2003
7)日本消化器がん検診学会,胃X線撮影法標準化委員会(編).新・胃X線撮影法(間接・直接)ガイドライン.メディカルレビュー社,2005
8)中村一成.「光の時代」に開かれる内視鏡機器─自然光の限界に迫り,特殊光領域へ.消内視鏡 17 : 695-702, 2005
9)榊信広,飯田洋三,斎藤満,他.胃粘膜微細模様の新しい拡大内視鏡分類.Gastroenterol Endosc 22 : 377-383, 1980
10)本田徹,竹下公矢.粘膜微細構造と粘膜模様の関係からみた胃癌の特徴.消内視鏡 16 : 1679-1687, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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