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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 早期胃癌2009 主題 4.早期胃癌の肉眼型─決め方・考え方とその典型像

2)0 IIc型,0 III型

著者: 丸山保彦1 景岡正信1 永田健1 大畠昭彦1 野田裕児1 三輪一太1 池谷賢太郎1 佐藤慎祐2 甲田賢治3 渡辺文利4

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器科 2藤枝市立総合病院放射線科 3藤枝市立総合病院病理診断科 4浜松南病院

ページ範囲:P.522 - P.532

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要旨 0 IIc病変はわずかなびらん,または粘膜の浅い陥凹が認められるものと定義され,① 陥凹面,② 陥凹境界線,③ 辺縁の観察を詳細に行うことで診断される.分化型胃癌は,① 陥凹底は比較的平滑~胃小区模様がみられ,顆粒像は少数で発赤調,② 陥凹境界線は不明瞭でなだらかな陥凹,③ 陥凹の辺縁隆起が特徴である.未分化型胃癌は,① 陥凹底は無構造~不整凹凸,褪色調,陥凹内部インゼル,② 陥凹境界線は明瞭で断崖状,③ 陥凹辺縁はM癌では辺縁隆起を来すことはない,という特徴をもつ.0 III型は明らかに深い陥凹を有するもので,悪性サイクルのある時点で短期的にみられ,不整な潰瘍辺縁,辺縁に存在する0IIc成分を発見することがポイントである.

参考文献

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3)八尾恒良,大串秀明.病理組織構築より見た深達度診断の問題点.胃と腸 12 : 1157-1173, 1977
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8)中村恭一.胃癌の構造,3版.医学書院,p188,2005
9)Uemura N, Okamoto S, Yamamoto S, et al. Helicobacter pyroli infection and the development of a gastric cancer. N Eng J Med 345 : 784-789, 2001
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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