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文献詳細

雑誌文献

胃と腸44巻4号

2009年04月発行

特集 早期胃癌2009

主題 6.早期胃癌の治療

1)治療法選択の考え方

著者: 浜田勉1

所属機関: 1東京都東部地域病院内科

ページ範囲:P.675 - P.679

文献概要

要旨 早期胃癌の外科的手術と内視鏡的治療の治療法選択の臨床的な考え方を述べた.近年の治療法はEMRからESDへの内視鏡的治療の開発と腹腔鏡補助下幽門側胃切除術などの外科的治療法の変化により低侵襲な治療がもたらされている.内視鏡的治療選択へのステップとして ① 組織型が分化型であること, ② 深達度を決めること,が挙げられる.分化型癌については,まず,大きさより深達度が重要で,形態診断によりMの癌を適応とし,SM2の癌では外科的手術を選択する.次にM癌の大きさを決め,技術的にまた部位的に内視鏡的治療が可能かどうかを判定する.表層拡大型や噴門部にあるものなどは外科的手術が必要となる.内視鏡的治療では一括切除が原則で,EMRでは小さい癌に限定されるため,ESDが一般的に選択されることが多い.新しい治療法の場合,パターナリズムにより治療法が選択されることがないようインフォームドコンセントの重要性を強調した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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