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雑誌文献

胃と腸44巻4号

2009年04月発行

文献概要

特集 早期胃癌2009 ノート

2.酢酸・インジゴカルミン撒布・水洗法

著者: 本庶元1 南竜城1 三原美香1 福田亘1 清水香代子1 光本保英1 森敬弘1 鹿田潮1 伊藤正1 富岡秀夫1 清水誠治1 水野成人2

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科 2神戸薬科大学医療薬学研究室

ページ範囲:P.762 - P.766

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要旨 早期胃癌に対する内視鏡治療の適応拡大に伴い,病変の側方進展範囲診断はますます重要性を増している.当院では通常の内視鏡機器を用いて,酢酸・インジゴカルミン撒布後に病変部を水洗することで,早期胃癌の側方進展範囲診断を行ってきた.この方法では腫瘍部のインジゴカルミンが水洗で除去されるのに対し,非腫瘍部のインジゴカルミンは残存するため,腫瘍の進展範囲が明瞭に描出される.酢酸・インジゴカルミン撒布・水洗法は特殊な機器を必要とせず,腫瘍進展範囲の全体像が簡便かつ明瞭に認識できる手法である.自験例では正診率が94.9%と高く,有用な手法と考えられた.

参考文献

1)小山恒男,友利彰寿,堀田欣一,他.切開・剥離法(ESD)に必要な胃癌術前診断─内視鏡診断 : 側方進展診断を中心に─酢酸・拡大観察を含めて.胃と腸 40 : 761-768, 2005
2)Yao K, Yao T, Iwashita A. Determining the horizontal extent of early gastric carcinoma : two modern techniques based on differences in the mucosal microvascular architecture and density between carcinoma and non-carcinomatous mucosa. Dig Endosc 14 : S83-87, 2002
3)炭山和毅,田尻久雄,貝瀬満,他.切開・剥離法(ESD)に必要な胃癌術前診断─新しい診断法 : narrow band imaging(NBI).胃と腸 40 : 809-816, 2005
4)Uedo N, Iishi H, Tatsuta M, et al. A novel videoendoscopy system by using autofluorescence and reflectance imaging for diagnosis of esophagogastric cancers. Gastrointest Endosc 62 : 521-528, 2005
5)河原祥朗,竹中龍太,岡田裕之.早期胃癌診断時の進展度診断の落とし穴─新色素AIMを用いた新しい内視鏡診断法を中心に.消外 30 : 1435-1444, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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